ねころんで読める抗菌薬シリーズ

昨年、厚生労働省から「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」が発表されて以降、抗生物質の適正使用に関わる様々な取り組みが始められています。

私たち薬剤師としても「処方された抗生物質・抗菌薬は、処方された日数を飲みきること」「後日ぶり返した時に飲む等のために取っておかないこと」「家族や友人などに渡さないこと」などを訴えてはいますが、それ以上の「適切な使用とは?」「適切な処方とは?」「原因菌と有効な抗菌薬は?」などの勉強は、なかなか分かりにくいところでもあります。

そんなモヤモヤを持っていたところ、昨年ある本に出会いました!

浜松医療センター 副院長・感染症内科長・衛生管理室長 矢野邦夫先生の「ねころんで読める抗菌薬」です!

このゆるいイラストと、「ねころんで読める」というゆるいタイトルに惹かれて買ってしまいました。
中身としては、「ねころんで読むにはちょっと難解な部分もあるかな」という感じですが、4コマ漫画や挿絵なども多く「くつろいで読める」のは間違いありません。

そして、現場の医師達の間でも、苦労しながら手探りで処方をしていることが多い、ということが伝わってきます。
手探りで処方をしているということは、私たち薬剤師にもその処方意図が伝わりにくくても当然(!?)なのかもしれませんね!

そして先日、第3段となる「もっともっとねころんで読める抗菌薬」が発売され、早速入手しました。

表紙の帯にある「その抗菌薬 必要なし!」という言葉から、矢野先生の「適切な抗菌薬の使用」への思いがヒシヒシと伝わってきますね(笑)
気になる中身は「抗菌薬が必要な疾患と不必要な疾患」「不要な抗菌薬を投与することで起きる弊害」などが分かりやすく解説されています。

AMR対策プランが進む中、抗生物質・抗菌薬を希望したのに処方されなかった患者さんが増えてくることも予想されます。
そうした患者さんに、説明をするのにも役立ちそうだと思いました。

3巻並べるとこんな感じです。第4巻は緑色になるのでしょうか?

第1巻は、注射薬の抗菌薬も多く取り上げられているので、薬局薬剤師としては、2巻・3巻からが読みやすいと思います。
抗菌薬をゆるく、正しく学びたい方は、ぜひ一度手にとって見てください。