入院してみて ~あとがき~

その病気、最初に気付いたのは今年の3月だった。

何者かに握られるような圧迫感のある鈍い痛み。

おりからNOSUKE(misonoの旦那様)の件もあったので

近所の医院を探し対処療法で水を抜いてもらう。

  キャン〇〇、●●がんの病気です。

  詳しくは書かないので気になる方は直接聞いてください。

3か月後に再発、この間隔だと次回は8月末ごろに来るかと思っていたら案の定。

「根治療法考えます?」

「ええ、考えてました」

「じゃ、紹介状書くけどどこがいい?」

「家から近いのでD医大で」

「今日は水は抜かないからそのまま行ってね」

その結果、3か月待ちでの入院・手術でした。

 

渡された『入院のご案内』、家で読む。

高額医療の適応となるので事前に

「限度額適応認定」を受けておくように書いてある。

起床:  6:00(「人間が朝の6時に起きられるか」(by冷泉麻子))

消灯:21:00(もっと無理!’家族が爆笑))

 

個室にだったので時間に関しては多少の融通は利く。

それでも10時には普通に眠れてしまった。朝も定刻で起きられる。

今までの睡眠時間、そんなに足りてなかったか?

食餌、個人個人で献立が変えてあるようでした。名前の横に数字が書いてある。

どうやら1日の摂取カロリーだったようです(1900と書かれてました)。

 

病室からはドクターヘリが飛ぶのが見える。

この週の昼下がり、TVでは「コードブルー」の再放送をやっていたが、当てこすりみたいになるので遠慮、DVDをずっと観ていたわけです。

検診に来るたびにエヴァを見ているオッサン、どんなふうに見られてたんでしょう?

 

自由時間、各人が自由に過ごしていらっしゃるが、毎日ハーモニカのリサイタルを開いてる方がおりました。退院前日に余裕があったので病室から拝聴。約20曲を90分にわたり演奏してました。童謡から始まりクリスマスソング、昭和の歌謡曲を経て最後は「水戸黄門」「銭形平次」のメドレー。「じ~んせいらくありゃく~もあるさ~!」覗いてみたら80歳代と思しき男性。「涙の後には虹が出る」ことをお祈りしております。

 

病室の隣人、夜中になると大声で叫びだすのにはチト困った。

「アベサーン、アベサーン。タスケテクダサーイ!」

ちょっとしたホラー。

数回繰り返した後は静かになるのだが、ある晩は看護師が登場。

「注射打つね、ちょっと痛いよ」

鎮静剤を打ったらしい。しばらくは静かになったが

「アベサーン、アベサーン。タスケテクダサーイ!クルシイデス!!」

看護師再登場。そのとき何があったかは不明ですがその後はおとなしくなりました。

翌朝、「大変だったね」とカマをかけるが

いつものこと、と言わんばかりにニコッと笑うだけ。秘密保持は大丈夫そうです。

 

職場復帰を控えて『椅子にじっと座っていられるか』のチャレンジテストを行う。

最近はアミューズメント施設と呼ぶらしい。

座っているのは何とかなるが、立ち上がるのは少し辛い。 

結果?・・・私、負けませんので。

 

指先のリハビリ、積みプラからいくつかセレクトして組み立てる。

 

加入していた生命保険、初めての行使。備えあれば患いなしってとこで。

 

今回の病気に関して参考にした文書

武田一義 著「さよならタマちゃん」 

事前に読んどいてよかった。絶版になっているらしく書店での入手は不可かも。

ネットで中古品を取り寄せました。

著者の描いた本(コミックス)「ペリリュー 楽園のゲルニカ」もお薦めします。