患者支援アプリ保険適用について思う事

2020年に禁煙支援用アプリが保険適応されましたが、2022年に高血圧治療支援アプリが保険適応される予定です。
薬を飲む前の段階、初期の生活習慣指導において介入支援を行うとの事です。
治験は2020年1〜12月にかけて行なわれ、高血圧デジタル治療の治験は世界初の取り組みだったようです。2021年8月には治験結果が欧州心臓病学会において発表され、循環器疾患のジャーナルである「European Heart Journal」に論文が同時掲載されました。
その結果、ベースライン(治療開始前の状態)から12週時点のAPBMにおける収縮期血圧の群間差がマイナス2.4mmHgとなり、デジタル治療を用いた介入群は対照群に対して有意な降圧効果が認められたとの事。また、起床時の家庭血圧の収縮期血圧の群間差はマイナス4.3mmHgとなり、その効果は24週まで持続したとのこと。

今後薬物治療にまでデジタル治療が介入するようになると、将来的に薬剤師の患者管理能力と天秤にかけられ費用対効果で劣るようなら我々も覚悟が必要となるでしょう。(指導料は病院に、アプリに対する点数は開発会社になので、薬剤師の管理料や指導料が病院と開発会社に持っていかれてしまう訳ですね)

以前の記事でも書いたように一部の先発品メーカーも患者支援アプリの開発を始めているので、我々も何らかのアクションを起こさないと生き残れないのかもしれません。

このままでは「我々全員、医療の深淵に向かって滅亡の歌を合唱する事になるぞ!」です。