咽喉頭異常感症に漢方薬

のどに異常感を感じますが、耳鼻咽喉科の診察では訴えに見合う病変が咽頭喉頭に認められない病態を総称した病気です。


症状の現れ方
多くはのどに何かがつかえる感じを訴えます。嚥下運動を行った時で、唾などを飲み込んだとき時がほとんどです。しかし、食事や水などの液体を飲んだ時にはその症状を感じません。

東洋医学的治療
喉頭異常感症の症状は、東洋医学的には「気滞」と考えられるため、漢方処方としては代表的な気剤である半夏厚朴湯が頻用され、また半夏厚朴湯と小柴胡湯との合方である柴朴湯(胸脇苦満を呈する場合や小柴胡湯の抗炎症作用を期待して)、茯苓飲との合方である茯苓飲合半夏厚朴湯(虚証で胃内停水を呈する場合)などが証に合わせて用いられる。他に苓桂朮甘湯、甘麦大棗湯、柴胡加竜骨牡蠣湯などが用いられる場合がある。漢方薬,その中でも柴朴湯は有効性は高く,証を考慮せずに広く使用できることから投与する価値のある漢方薬といえます。


柴朴湯の組成
近年は単純に半夏厚朴湯だけを使っていても効果がないことも多くあるようです。柴朴湯は、有効性は高く,証を考慮せずに幅広い体質の人に広く使用できることから投与する価値のある漢方薬といえます。
• 柴胡(サイコ)    ○
• 黄芩(オウゴン)   ○
半夏(ハンゲ)    ○
厚朴(コウボク) ・・・筋弛緩作用
茯苓(ブクリョウ) ・・・胃排泄能亢進・精神安定
蘇葉(ソヨウ) ・・・鎮静作用
• 人参(ニンジン)   ○・・・消化吸収機能改善
• 大棗(タイソウ)   ○・・・消化吸収機能改善
生姜(ショウキョウ)  ○
• 甘草(カンゾウ)   ○
赤文字は半夏厚朴湯の組成。○は小柴胡湯の組成。
柴胡”と黄芩と甘草の組み合わせにより、抗炎症作用、抗アレルギー作用があり、“半夏”と“厚朴”は、胸のつかえ感や吐き気をおさえ、咳をしずめ、また気分を落ち着けるのに役立ちます。そのほか、水分循環をよくする“茯苓”、滋養作用のある“人参”、炎症や痛みを緩和する“甘草”などが配合されています。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。


漢方薬の飲み方
漢方薬の場合、苦味や独特の香りを持つものが多いので、この頃は成人も飲めない方が多いので、飲み方を各メーカーに確認したところ、お薬飲めたねゼリーやもともと苦味のあるココアとか、味や香りを包み込むという点では、乳酸飲料やカルピス、りんごジュース、野菜ジュースも有効です。乳製品は漢方薬の吸収が悪くなると言われていますが、飲まないよりは飲んだほうが良いとのことで勧めることあります。一般に冷たいと味の感度が落ちますので、氷を舐めてから服用したり、冷たいアイスクリーム、特にチョコアイスなどがお勧めです。