今回は手足症候群について、参考になったので載せてみました!
☆ 特徴
手掌、足底など圧力のかかりやすい部分に発現することが多い。初期症状としてチクチクとするような皮膚の違和感を訴え、進行して行くと発疹、水疱、角化、亀裂が出現し、激しい痛みを伴うことがある。症状は可逆的であることから、休薬や減量により比較的速やかに消失する。
☆ 予防対策
日常生活の注意点として、過度の圧迫や刺激のかかるような行動はなるべく避けるように説明する。(例:長時間の歩行や立ち仕事やジョギングは避ける、重い荷物を持つ・包丁仕事・長時間の筆記などの圧のかかる手作業は控える、熱いお湯での長時間の入浴は避けるなど。)
内服開始と同時に予防的に保湿剤の使用を開始する。
使用量の目安としは5㎜口径の軟膏チューブであれば、保湿剤を人差し指の先から第一関節まで伸ばした量が両手掌に塗布する分量の目安となる。また手掌と足底は毎日観察を行うよう説明。
皮膚外用剤の中で、クリーム製剤の基剤は油中水型(W/O型)と水中油型(O/W型)に分類される。W/O型基剤はO/W型基剤と比べて保湿効果が持続し、刺激が少ない。一方、市販の保湿剤は塗布感がよく、べとつきの少ないO/W型が多い。
手足症候群が出現した場合には休薬が必要。また休薬の必要がない場合でも、赤斑・疼痛・炎症の強い場合にはvery strongクラス以上のステロイド外用剤を用いる。特に疼痛が強い場合は、ロキソニンなど非ステロイド系消炎鎮痛薬を内服する。
☆ 服薬指導のポイント
・生活スタイルを聞き出すことで日常生活における手足への負担の有無を確認。仕事や趣味など、今まで通りの普段の生活が続けられるようアドバイスする。
主婦であれば家事・水仕事が多いため、水仕事を行うためには、保湿剤を塗布後、木綿の手袋の上にゴム手袋を着用するよう説明。家事の合間にはこまめに保湿を心がける。仕事で革靴など硬い素材でできた靴を使用している場合は、できればゴム製などの柔らかい素材でクッション性の高い製品に変更してもらい、厚手の木綿製の靴下を履く、中敷をひくことにより除圧を行うよう説明。パソコン作業の多い仕事の場合には、木綿の手袋などをして行うよう勧める。
・市販の保湿剤を使用している場合には、アルコールや香料が含まれていない低刺激性のものかどうか確認。日常どのように保湿ケアを行っているか(保湿剤の使用頻度・塗り方・塗る場所など)を尋ねHFSの症状が無い場合でも継続して保湿ケアを行うことの重要性を説明。
・ステロイド軟こうが処方の際にはHFSに対して症状が落ち着いているのに漫然とステロイド軟膏を使用していないかどうか、どのような症状の時に使用する必要があるかを理解しているかを確認。