「Amazon薬局始動!!」って話を聞いて、Amazonがネットで調剤業務を始めるの~?なんて思ったりしましたか?
実態はもっと壮大なもので、Amazon医療と呼べるものだったりします。
Amazonは皆さんご存じのEC(電子商取引)だけではなく、AWS(Amazon Web Service)と呼ばれるPaaS(Platform as a Service)を運営しております。
※PaaS(Platform as a Service)とはクラウドにあるプラットフォームが利用できるサービスです。大規模なデータセンターに、アプリケーションを稼動するためのネットワーク、サーバシステム、OSやミドルウェアなどのプラットフォームが用意され、企業ユーザがそのプラットフォーム上で開発を行うことができます。
日本政府もデジタル庁が整備し、府省庁や地方自治体が共同利用する「ガバメントクラウド」としてAWSを利用しております。
Amazonと政府は、AWS上に医療情報を集約したプラットフォームを構築するみたいですね。
医療情報を扱う上でのガイドラインもできてるようで、、、。
日本の医療情報ガイドライン – アマゾン ウェブ サービス (AWS) (amazon.com)
薬局ではレセコンや電子薬歴等を利用していますが、各社互換性が無い部分があり、機器の入れ替え時にデータが100%引き継げない部分がありました。
最悪、同じ項目のデータを複数のシステム(レセコン、電子薬歴、電子お薬手帳)で別々に保管されていたりと、整合性を保てなくなった場合を考えると背筋が凍る状況になっている事もあります。(むしろ昔のオンプレミスなシステムの方が、病院内や薬局内に限っては整合性はとれていたような、、、、)
AWS上の医療プラットフォームに医療データ(患者基本情報、カルテ、検査データ、処方箋、薬歴、レセプト情報等々)を集約することで整合性のとれた信頼のおける情報となり、医療に関するビッグデータを構築する事で医学薬学上の分析だけでなく医療コスト面も含めた分析も可能となります。
(非構造化データであるカルテや薬歴等の表記の揺らぎは、お得意のNLP(自然言語処理)を利用して再利用しやすい形態にするそうな)
Amazonの資料もご参考に。
CUS-43_AWS_Summit_Online_2021_MTI_MG-DX.pdf (awsstatic.com)
AWS でのプロバイダー | ヘルスケアとライフサイエンス | AWS (amazon.com)
すでに多数の企業がAWS上で医療システム開発を始めており、医療プラットフォームに対応できないと淘汰されちゃうかも。
AWS上の医療プラットフォームを利用することで、オンライン診療~医薬品の提供~フォローアップまで一気通貫に行える環境を構築できるわけですね。
Amazonが新たに薬局を作る訳ではなく、我々が政府とAmazonの構築する新たな医療プラットフォームに組み込まれるといった感じになるのかな?
とんでもないビッグウェーブが迫ってますね~。
現状、電子処方箋の運用に必要なマイナンバーカードの利用率がいまいちで、ちょっとギクシャクしている部分もありますが、近いうちに我々の薬局を取り巻く環境は大きく変わるのでしょう。
まあ、Amazonも巨大ECサイトを運営している会社であって、以下のようなものもあるのが不安ですが、、、。
ミナカラとセイノーホールディングスが、国内初となる物流センター内に「セントラル調剤薬局」を共同開発・稼働開始|株式会社ミナカラのプレスリリース (prtimes.jp)